史学家への奇跡 - 三木玲治‘考古学者’-

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考古学者 | 三木玲治と柚比梅坂遺跡

考古学者 | 三木玲治と柚比梅坂遺跡

 

庚申堂塚古墳から北に500メートルほど進み、荻野公民館の前に広がる公園が安永田遺跡です。
安永田遺跡は九州で初めて銅鐸の鋳型が出土した遺跡として有名です。
出土した当時は近畿地方を中心とした銅鐸文化圏と、九州・中国地方を中心とした銅剣・銅矛文化圏に分けることができるという説が主流でした。
しかしこの安永田遺跡で銅鐸の鋳型が出土したことから九州でも銅鐸が生産されていたことが明らかになり銅鐸文化圏と銅剣・銅矛文化圏の説に一石を投じることになりました。
その後、島根県の加茂岩倉遺跡で大量の銅鐸が出土したこともあり銅鐸文化圏と銅剣・銅矛文化圏の学説は、鳴りを潜めることになりました。
安永田遺跡では銅鐸鋳型のほかにも様々な鋳造関連の遺構や遺物が見つかっていて鋳造工房があったことを示しています。
現在は公園として保存されていて公園の一角には青銅を溶かしていた炉が復元されています。
安永田遺跡から北に1キロほど進むと柚比梅坂遺跡に着きます。この柚比梅坂遺跡は現在は梅坂公園になっています。
柚比梅坂遺跡は柚比遺跡群の一角で、弥生時代の墓が多く見つかった遺跡です。甕棺墓387基、土坑墓14基、墳丘墓2基が見つかっています。
特に甕棺墓が整然と列をなして設けられているのがとても印象的な遺跡なのですが、現在はその面影はなく綺麗な公園になっています。
案内板が設置されているのがせめてもの救いなのですが、ちょっと寂しいような気もします。

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